ごあいさつ
共同代表 岡崎祐士
 振り返ってみますと、こころの健康政策構想会議とその提言は、日本の精神保健・医療の深刻な現状が必然的に生み出したものではないかと思っています。
 現状を何とかしたい、変えなくてはという声が充満していました。過去にも幾つかの改善のための提案はなされてきましたが、肝腎の当事者・家族が本格的に参加して出来たものではありませんでした。それが広くこころを捉えなかった原因ではないかと思います。
 幸い、こころの健康政策構想会議の提言は、「よくまとめてくれた」「よく言ってくれた」という多くの言葉をいただきました。いま、その実現を目指して、こころの健康政策構想実現会議に発展し、請願の署名運動まで始まりました。医療や保健関係者だけでなく、多くの著名な方々の賛同の声も寄せられています。
 こころの健康政策構想会議の提言の内容は、個々にはすでに提案されたものも多く含まれていますが、精神保健と医療は当事者・家族および国民のニーズに応えるものであるということを貫いて総合的に組み立てた結果、新しい提言になったのだと思います。もちろん、提言だけですべての問題をカバーできていませんし、言及していることでも不十分な点も少なくありません。構想実現会議は、署名の取り組みと平行してそれらの点も検討して、提言を充実させていきたいと考えています。署名へのご協力とともに、提言へのご意見ご示唆も頂ければ幸いです。
平成22年9月29日